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真言宗智山派 西蓮寺
本堂・客殿 外観
本堂 内陣
本堂 入口と耐震菱目格子
客殿 浮き屋根
客殿 畳廊下と天窓
茶室 土庇と躙口
茶室 広間八帖の光石膏天井
寺務所棟と渡り廊下
鐘楼堂
永代供養墓
Photo : BAUHAUS NEO(1-9)、佐藤秀(10-11)
真言宗智山派 西蓮寺
工事内容
本堂 耐震改修、客殿・庫裡・茶室・寺務所棟 新築、鐘楼堂 改修、永代供養墓 新築
所在地
東京都北区志茂
発注者
宗教法人西蓮寺
設計・監理
上田徹/玄綜合設計
用途
寺院
構造
(本堂 ほか)木造、(客殿)鉄骨造+大スパン集成材小屋組、(永代供養墓)石造
階数
地上2階
延床面積
(本堂)134.6 m²、(客殿)265.1 m²、(庫裡 茶室 寺務所棟)436.9 m²
竣工
(本堂・客殿・庫裡 茶室 寺務所棟)1997年、(鐘楼堂)1999年、
(永代供養墓)2000年
雑誌掲載
「住宅建築」 1999年11月号 表紙 + P.77~94
リンク
西蓮寺 (東京都北区) - Wikipedia
コメント
帰命山阿弥陀院西蓮寺は、今を去る約700年前、引安年間(1278~88年)に淳慶阿闍梨(じゅんけいあじゃり)が開創されたと言われる真言宗智山派の寺院で、本尊は鎌倉初期に作られた「阿弥陀如来」(伝 太子作)で、北区の有形文化財にも指定されています。境内総合計画の一環として、各建物の配置を整理するために工事が進められました。
本堂(改修)は、曳家をして山門の位置と合わせるとともに、傷んだ本堂の基礎および耐震補強工事を行いました。
客殿(新築)は、鉄骨軸組と大スパン集成材の小屋組という、斬新な複合構造になっています。本堂との取合いとランマにガラスを多用したことで、明るい近代的空間を実現していますが、畳、襖、などの和の要素との調和には、違和感を感じさせないように注意をはらいました。
茶室(新築)は、和の空間の創出のために木の特性と扱いを知る佐藤秀の、最も得意とするところです。この茶室の建築の中で特徴的なの部分は、広間の光天井です。光格子天井が柔らかく光っているのは、一枚一枚丁寧に茶渋で仕上げた特殊素材の板を、天井内部の電球の光が通り抜けてくるからです。これにより、この部屋に暖かさと優美さを漂わせています。
鐘楼堂(改修)は、戦時中、仏具と共に梵鐘を国に供出されたため、戦後もそのままになっていました。しかし檀家の方々からの要請もあって、1959年(昭和34年)に再鋳し、鐘楼自体も再建されました。それから約30年後の1999年(平成11年)、佐藤秀が改修・保存工事を施工を担当しました。柱脚部が腐食していたため、柱と紅梁を新規に取り替え、基壇部分については建物と一体感が出るよう、自然石野面積みとしました。
永代供養墓(新築)は、宝塔中央部にはステンドグラスに梵字が取り付けられ、陽の向きにより違う輝きを見せてくれます。
こうしておこないましたそれぞれの建物の改修や新築工事により、総合計画通りの配置ですべての建物が完成し、優美な伽藍となりました。
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